AIの文章がしっくりこないときに。自分の「書き方ルール」を作る方法
AIの文章を直すとき、どこをどう変えたかを残しておく。その記録を次の原稿の指示に使えば、自分の好みを具体的に伝えられます。
「もっと自然に」「自分らしく」と頼んでも、どんな文章を望んでいるのかは伝わりにくいものです。
僕なら、気になった一つの段落を直して、その前後を見せるところから始めます。この記事では、その修正を自分用の「書き方ルール」にする方法を考えてみます。
01「しっくりこない」の中身を探す
AIっぽいと感じたときは、気になった箇所に印を付けてみてください。前置きが長いのか、同じ説明が続くのか、言葉が大げさなのか。直したい場所が分かれば、指示も具体的になります。
たとえば、次は説明用に作った文章です。実際の利用者の原稿や、検証結果ではありません。
修正前
日々の生活を充実させるためには、効率的な時間管理が欠かせません。限られた時間を有効に活用することが重要です。
時間管理の大切さは伝わります。でも、読者が何をすればいいかは分かりません。行動を提案する記事なら、次のように書けます。
修正後
やりたいことに手が回らないときは、明日の予定に作業時間を書き込んでみてください。「夕食後にブログの見出しを考える」と、何をする時間なのかまで決めておきます。
ここから作れるルールは、「手順を説明する記事では、読者が試せる行動を具体的に書く」です。単に「自然にして」と頼むより、直してほしい方向がはっきりします。
02自分が直した文章を、見本にする
材料にするのは、自分の過去記事や、AIの下書きを手直しした文章です。下書きを直した場合は、修正前と修正後を両方残しておくと違いを比べられます。
見るのは、語尾だけではありません。説明の順番、具体例の入れ方、言い切りの強さにも好みが表れます。
- 長い前置きを削り、読者が知りたい答えを先に書いている。
- 専門用語が初めて出る箇所に、短い説明を加えている。
- 同じ内容を言い直している段落を削っている。
- 「必ずできる」という断定を、根拠に合った表現に直している。
何度も行っている修正は、ルールの候補です。一つの記事でたまたま削った表現まで、全部禁止する必要はありません。
03修正の違いをAIに整理してもらう
修正例を用意したら、AIに違いを整理してもらいましょう。次の指示文に、修正前と修正後を貼り付けて使えます。
以下の「修正前」と「修正後」を比べて、今後の記事にも使える書き方ルールの候補を作ってください。 ・意味や事実の変更と、書き方の変更を分けてください。 ・各ルールに、根拠となる修正箇所を示してください。 ・一度だけの修正を、私の好みと決めつけないでください。 ・「何を、どう直すか」が分かるルールにしてください。 修正前: [ここに文章を貼り付ける] 修正後: [ここに文章を貼り付ける]
出てきた候補は、そのまま採用せず一つずつ確認します。
たとえば「文章はすべて短くする」と言われても、長い説明が必要な場面はあります。「一文に複数の話題が入り、読みにくいときに分ける」と直す方が、意図に近いかもしれません。
04最初から、ルールを増やしすぎない
僕なら、まずは繰り返し直している箇所に絞ります。初心者向けの解説記事なら、こんな指示が出発点になります。
初心者向けの記事を書くときは、次の方針に従ってください。 1. 冒頭に、読者が知りたい答えを書いてください。 2. 手順は、読者が行う動作を具体的に説明してください。 3. 専門用語は、初めて出る箇所で短く説明してください。 4. 同じ内容の繰り返しは、必要な情報を残して整理してください。 5. 数字、効果、体験談は、提供された根拠の範囲で書いてください。根拠がなければ、推測で補わないでください。
これは、どんな記事にも当てはまる正解ではありません。日記やエッセイなら、出来事を順番に語る書き方が合うこともあります。記事の目的に合わせて調整してください。
05読みやすくなっても、意味は別に確認する
ルールができたら、以前の原稿を残したうえで書き直してもらいます。前置きは短くなったか、用語の説明は付いたか。最初に気になっていた箇所を見比べてください。
ここで気を付けたいのが、読みやすさと内容の正しさは別だということです。
「役立つ場合があります」が「役立ちます」に変われば、言い切りが強くなっています。「この条件で使える」から条件が消えれば、使える範囲まで変わってしまいます。
数字、条件、例外、出典が残っているかも確認してください。以前のコラムでも書いたように、AIに任せた事実確認を、そのまま信じないことは文章を整えるときにも必要だと思います。
06合わなかったら、指示の方も直す
「具体例を入れる」と頼んだ結果、提供していない体験談が加わったなら、次の条件を付けられます。
具体例は、提供された資料から選んでください。説明用の架空の例を使う場合は、そのことを明記してください。筆者の体験として創作しないでください。
「短くする」と頼んで必要な説明まで消えたなら、「重複は整理する。ただし、数値、条件、例外、出典は省かない」と残す情報を指定します。
最近手直しした一つの段落を、修正前と修正後で並べてみてください。「次も同じように直してほしいこと」を一つ書き出す。それが、自分用の書き方ルールの出発点になります。