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コラム2026-10-13

AIを入れたけど使い道がない人へ。まず任せたい3つの小さな作業

AIを何に使うか迷ったら、手元のメモや予定、資料を整理するところから試してみてください。自分が内容を知っているものなら、返ってきた結果が合っているかも確かめられます。

前回のコラムでは、いつもの作業を手順に残し、スキルにまとめる方法を紹介しました。今回は、その手順を作る前の「最初に何を頼むか」を考えてみます。

僕なら、いきなり大きな仕事を丸ごと任せるより、結果を自分で確認できる小さな作業から始めます。ここでは、メモの整理、予定の整理、資料の比較という三つを取り上げます。

以下の指示文と結果は、試し方を説明するための例です。実際に使って得られた検証結果ではありません。

01ばらばらのメモを、話題ごとにまとめる

最初の作業には、思いついたことを書き留めたメモの整理が向いていると思います。

たとえば、ブログのネタ、買い物、調べたいことが同じメモに混ざっている場合です。一つずつ読み直して分類する作業を、AIに頼んでみます。

説明用に、こんなメモを用意しました。

・AIの記事で、専門用語の説明が長くなりがち
・週末に洗剤を買う
・ブログの見出しを先に考える方法を書きたい
・画像のサイズを調べる
・次の記事には文章の修正例を入れたい

このメモに、次の指示を添えます。

以下のメモを、話題ごとに整理してください。

・元の内容を省いたり、意味を変えたりしないでください。
・分類が分からないものは「要確認」に残してください。
・メモにない予定や作業を追加しないでください。
・整理後も、元の各項目と対応が分かるようにしてください。

[ここにメモを貼り付ける]

結果として受け取りたいのは、たとえば次のような整理です。

分類メモ
ブログの書き方専門用語の説明が長くなりがち。次の記事には文章の修正例を入れたい。
記事のテーマブログの見出しを先に考える方法を書きたい。
買い物週末に洗剤を買う。
要確認画像のサイズを調べる。

「画像のサイズ」は、ブログ用なのか、別の用途なのか分かりません。ここをAIが決めつけず、確認事項として残しているかを見ます。

分類名がきれいに付いていても、元のメモが一つ抜けていたら修正が必要です。整理後の項目を、元のメモと照らし合わせてください。

02やることと使える時間から、予定案を作る

次に試したいのは、一日の予定案です。

AIに渡すのは、やることの一覧だけではありません。使える時間、動かせない予定、終わらせたいことも添えます。

たとえば、次の条件を渡したとします。

明日は午前10時から12時まで作業できます。

やりたいこと:
・ブログの構成を考える。目安は45分。
・メールを確認する。目安は15分。
・資料を読む。目安は30分。

条件:
・ブログの構成を優先したい。
・途中で10分休憩したい。
・残りの時間は予備として空けておきたい。

ここに、予定を組むための指示を加えます。

この条件で、明日の予定案を作ってください。

・作業時間の合計が、使える時間を超えないようにしてください。
・指定した優先順位を守ってください。
・予定が収まらない場合は、勝手に削らず、そのことを説明してください。
・作業時間は私が示した目安を使ってください。

受け取りたい予定案は、次のようなものです。

時間内容
10:00〜10:45ブログの構成を考える。
10:45〜10:55休憩する。
10:55〜11:10メールを確認する。
11:10〜11:40資料を読む。
11:40〜12:00予備の時間として空けておく。

この例では、作業が90分、休憩が10分、予備が20分で、合計120分です。

確認するのは、時間の重なりや計算だけではありません。その順番で自分が動けそうかも考えます。資料を読んでからでないと構成を考えられないなら、その関係を伝えて組み直してもらいます。

予定案を作ることと、カレンダーへ登録することは別の作業です。まずは案を受け取り、自分で確認するところまで試してみてください。

03二つの資料から、違う点を抜き出す

資料の比較も、小さく始められる作業です。

たとえば、更新前と更新後の案内文です。どこが変わったかを調べるとき、AIに両方を渡して、違いを表にしてもらいます。

説明用に、次の二つの案内を使います。

資料A:
勉強会は土曜日の10時から開催します。
参加費は無料です。申し込みは木曜日までです。

資料B:
勉強会は土曜日の13時から開催します。
参加費は無料です。申し込みは金曜日までです。

指示は、次のように書けます。

資料Aと資料Bを比較し、変更された点を表にしてください。

・変更前と変更後の記述を並べてください。
・変更されていない点も、別に示してください。
・資料に書かれていない変更理由は推測しないでください。
・記述が曖昧な箇所は、確認事項として残してください。

受け取りたい結果は、次のような表です。

項目資料A資料B
開始時刻土曜日の10時土曜日の13時
申し込み期限木曜日まで金曜日まで
参加費無料無料。変更なし。

開始時刻と申し込み期限が変わり、参加費は変わっていません。変更理由は、どちらの資料にも書かれていません。

AIが「参加者の都合に合わせて午後に変更された」と説明したら、資料にない情報を補っています。比較表が整っていても、根拠のない説明が混ざっていないか確認してください。

長い資料で使う場合も、大事な数字や条件は元の文章に戻って確かめます。表に載っていない部分を、すべて変更なしと判断しないことも必要です。

04最初は、自分が答えを確かめられる材料を使う

三つの作業に共通するのは、自分が元の内容を確認できることです。

メモなら、項目が抜けていないかを見る。予定なら、時間と順番が合っているかを見る。資料なら、変更箇所を原文と照らし合わせる。結果を読むときの確認点が決まっています。

初めて試すなら、短いメモや、説明用に作った資料で十分です。仕事の資料を使う場合は、勤務先の利用ルールと、入力してよい情報の範囲を先に確認してください。患者情報や顧客情報などを、そのまま練習用の材料に使わないようにします。

頼む範囲も、「整理した案を出して」と指定できます。ファイルの削除、予定の登録、他の人への送信まで、一度に任せる必要はありません。

05次も頼みたい作業だけ、手順に残す

一度試したら、「自分でやるより楽だったか」「確認にどれくらい手間がかかったか」を振り返ります。

分類を直す手間が多かったなら、使いたい分類名を先に渡す。予定の順番が合わなかったなら、作業同士の関係を伝える。比較で条件が抜けたなら、確認してほしい項目を指定する。結果に合わせて、次の指示を直します。

そのうえで「次も頼みたい」と思った作業だけ、手順に残しておけばよいと思います。試したものを全部、スキルにする必要はありません。

僕なら、まずは短いメモの整理から始めます。元の内容を手元に置き、整理された結果を見比べる。そこで自分が確認しやすい頼み方を見つけてから、次の作業へ広げていきます。

運営者
ゆうき

救急・集中治療の現場で働く現役看護師。AIの進化を毎日追いかけています。